生後間もなく筋ジストロフィーを発症し、約40年をベッドの上で過ごしている福岡県鞍手町の的野ようこさん(53)が、半生をつづった「今日も元気です! 生きる希望をあなたに」を出版した。母ミヤコさん(82)の介助を受けながら懸命に生きる的野さんは、社会参加をあきらめず、ついには海を見る夢も実現させた。相次ぐ子どもの自殺に心を痛め、「死と隣り合わせの私でも一生懸命生きている。若者は自分の可能性を信じ、精いっぱい人生を謳歌(おうか)して」と訴えている。 (直方支局・立山和久)
父母は、せいぜい10代までの短命であると告げられたのでした。わずかな希望も断ち切る残酷な宣言だったろうと思います
的野さんが病名を宣告されたのは3歳の時。医師は「治療法のない進行性の難病で20歳まで生きられるかどうか」と告げたという。ほどなく全身の筋肉の委縮が始まり、15歳でついに両手首の先しか動かなくなった。以来、寝たきりの生活が続いているが、幸いに病状は安定。わずかに動く指先でワープロを打ち、日記や詩、エッセーなどを書き続けてきた。
だが、1993年に父が亡くなり、ミヤコさんと2人きりに。車を運転できた父がいなくなり、通院や外出がままならなくなった。
父が亡くなると、生活が一転しました。親を亡くした重度の障害や病を持った者が、地域の中で普通に暮らすことが、どんなに難しくて大変か思い知らされました
当時は障害者の外出支援策が確立されておらず行政や社協に移送を依頼しては断られることの繰り返しだったという。
今は、国などの補助で電動車いすを利用できるようになり、ヘルパーの訪問介助も受けている。初めて映画観賞や日帰り旅行に出掛け、念願の海も見た。「ベッドの広さしかなかった私の世界が45歳を過ぎてどんどん広がっている。生きるって素晴らしい」
私のわがままな外出が、普通のこととして定着したとき、本当のノーマライゼーションが訪れるのかもしれません
本を出版しようと思ったのは、「病気や障害を抱えた人たちの励みになれば」との願いに加え、青少年をめぐる痛ましい事件や自殺に心を痛めたからという。3カ月かけて書いた下書きを昨年11月、出版社に送って採用された。推敲(すいこう)を重ね、これまで小学校新聞や福祉だよりに寄稿したコラムや詩も収録して11月下旬に完成した。
この世に無意味に生まれてくる生命など、1つもありません。1人の障害者として、生きる歓(よろこ)びや輝く心を通して、生命の価値と尊さを伝えることが、私の役割のような気がします
(2006/12/05 西日本新聞夕刊)
日帰り旅行って、とても気軽に行ける旅行のはずなのに、そんなささいな楽しみを味わうことが困難な人がいるんですね。
つい先日、がん患者を対象にしたツアーのニュースもやってましたが・・・
こういう方たちの日帰り旅行が、もっと普通のこととして普通に行なわれるようにしたいですね。
日帰り旅行をして美しい海を眺める、これって人間として普通に味わっていい喜びのはずです。
いろんな障害を持った人たちにも、日帰り旅行を楽しんでもらいたいですね。
2006年12月06日
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